「都内からもわざわざお客さんが集まってくるほどいい店がある」という話を料理にとってもこだわっている老舗旅館の女将さんから聞き出しました。その名は「オー・ドゥ・ピュール」。(フランス語で“きれいな水”)。お店の名前は初めて聞いたのですが、開店以来2年間、まったく宣伝をせずに口コミで来店されて、リピーターになる人がほとんどなのだそうです。そういえば、私たちが食べに行こうと決めたのも、旅館の女将からの口コミ…。

コース料理の食事なんて慣れてませんから、お店の前でちょっとモジモジ。すると中から、スラッと背の高い素敵な女性支配人が現れて、さりげなく中へ招き入れてくれました。(あ、なんかセレブな気分♪)

どんな料理がいいのかわかりません、と正直に告白。すると、このレストランのおいしいとこ取りをしたフュージョンランチがオススメだと教えてくれました。(ちなみに“フュージョン”とは、フランス料理を極めたシェフが、食材やジャンルの垣根を越えて創り出す新しいスタイルの融合料理で、特に中国料理と“融合”させたシェフ独自の料理観を表しているそうです)

ランチメニューは1000円からありますが、私はチョイスランチ(1800円)をオーダー。

「季節のサラダ+坦々麺+エビチリ」
           or
「サーロインステーキ +古代米+デザート+コーヒー」
(メインはどっちも食べたかったので、 特別に追加注文!)。

まずはローメンレタスのフロマージュサラダ。
このレタス、根から葉の先までシャリシャリとした食感で、「わっ、新鮮!」と素直に驚きました。チーズとの相性もよし。


さて、メイン前半戦はエビチリ。
化学調味料を“一切”使用しないこだわりが、とても伝わってきた一品。ひとくち食べると、ほんのりと麹の甘い香りが漂います。

あれ?辛くないじゃん…と思った瞬間、ピリリッ!と辛味の時間差攻撃が襲います。それでエビがまたプリプリなんです。

お待たせしました、メイン2皿目、サーロインステーキ!
結論から言いましょう。この一品だけで1800円払ってもいい!
…そう思いますっ。


少なくとも、私が今まで取材してきたお店の中ではダントツのおいしいお肉です。 (料理記者歴10ヶ月ですが。。。)品種・産地をすべて指定して仕入れているとか。口に入れた瞬間からお肉がとろけて、噛むたびに旨味がじわじわとあふれてきます。やがてすべての旨味が出尽くすころ、肉は溶けて跡形もなくなっているでしょう。(実は後日、友達を連れてまたステーキを食べに行ってきました。。。)


続いて坦々麺。
これは普通のラーメン屋で出てくるものを想像したらいけません。器は小さくても味は濃厚。細〜い麺はコシがちゃんとあって、高級ゴマの香りと舌触りが麺にからんできます。言っておきますが辛いです。でも味覚が麻痺するような安っぽい辛さではありません。きちんと味がしてます。おかわりできない のが残念。。。

チョイスランチのメニューではありませんが、お魚料理だっておいしいんですよ。海なし県、群馬のハンディをまったく感じさせない素材と調理法です。表面はカリッと香ばしく焼いてあるのに、身はふわぁっとしてるんです。いったい、どうやったらそんなうまい具合に焼けるのでしょう?

最後は杏仁豆腐。 サラサラした食感で口の中でトロッと砕けていきます。これが本当の杏仁豆腐なのねぇ。。。

とにかく、これほどの料理をたらふく食べて1800円は間違いなく得した気分。冷凍の食材も化学調味料も一切使わないというシェフのこだわりは、グラスに注がれた水にも。榛名山の山中に入り、隠れた湧き水(検査済み)を汲んできているとか。。。それにしても、「そこまでやるか?」という言葉が思わず出そうなレストランでした。


フュージョンレストラン「オー・ドゥ・ピュール」

【電話】027-360-7123
【所在】群馬県群馬郡箕郷町生原992-1
【営業】ランチ11:30〜14:30
    ディナー17:30〜21:30
【定休】火曜日

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